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[ 勤務形態別 ]年俸制


「年俸制」とは、賃金の全部または一部を、労働者の成果・業績を評価して、年単位で決定する賃金体系のことをいいます。法律上の特別の賃金形態ではないため、労働時間や賃金に関する労働基準法上の規制が適用されるのが原則となります。

「年俸制は、時間管理や割増賃金の支払いが必要ない」と誤った理解をしている会社(使用者)が多いため、注意が必要です。

労働基準法第24条第2項には、「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」と定められているため、年俸制であっても、年俸額を12で割った賃金額が毎月支払われなければなりません。

また、年俸制にあらかじめ一定時間分の残業代を含めることは、以下の条件をすべて満たしていれば適法とされます。

  • 労働契約に、年俸に時間外労働等の割増賃金が含まれていることを明示する。
  • 時間外労働等の割増賃金と、通常の労働時間の賃金が区別されている。
  • あらかじめ、年俸に含められた割増賃金は、時間外労働等の何時間分なのかを明示する。
  • 区別された割増賃金部分が、法律で決められた割増額以上である。
例:

年俸600万円とする。
年俸600万円の12分の1である50万円を月例給与として支給する。
月例給与の内訳は基本給425,551円、各月20時間分の時間外労働割増賃金74,449円とする。
各月20時間を超えた時間外労働については、法定の割増率で計算した割増賃金(時間外手当1時間当たりの額425,551円/142.9時間×1.25=3,722円)を支払うこととする。

そして、所定労働時間を超える労働に対して、法律上必要な割増賃金は支払われなければなりません。

年俸制をめぐる民事裁判例

いずれも、年俸制をめぐる民事裁判例です。

  • 日本システム開発研究所事件(東京地判 平18・10・6 労働判例934号69頁、東京高判 平20・4・9 労働判例959号6頁)

    Yの研究室長及び研究室員であるXらが、Yが一方的に組織編成及び年俸賃金の制度を改定した上で、Xらの給与(賞与を含む)を減額したことから、差額分の賃金等を請求したもの。

  • システムワークス事件(大阪地判 平14・10・25 労働判例844号79頁)

    Xが、年俸制の労働契約をYと締結し、時間外労働を行ったとして、Yに対し、未払賃金等の支払を求めたもの。

  • 山本香料事件(大阪地判 平10・7・29 労働判例749号26頁)

    Xは、平成6年11月28日、調香師としてYに雇用された。(Xの賃金は年額570万円であり、月額38万円を毎月20日に支払い、残額を賞与として支払う約定であった。)
    Yは、平成7年6月26日、就業規則違反行為、あるいは懲戒処分該当事由があったとしてXを解雇した。

    Xが、Yの従業員たる地位を有することの確認(未払賞与の支払・賃金の支払)、Y会社の上司からセクハラや嫌がらせを受けたことに対する慰謝料の支払を請求し、他方、Yが、Xに無償貸与していたマンションの明け渡しを請求したもの。

  • 創栄コンサルタント事件(大阪地判 平14・5・17 労働判例828号14頁)

    Yの従業員であったXが、Yに対し、退職金の支払い、在職中の時間外割増賃金及び休日労働割増賃金の支払、有休休暇未消化分の買上げ等を請求し、これに対し、Yは退職金の支払いを約束したことはない、Xの賃金は残業代も含めた年俸制である、有給休暇の未消化分を買い上げるとの定めも、労使慣行もない等、争った。

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